パニック障害は、突然、なんのきっかけもなくパニック発作が繰り返し起こる病気です。
パニック障害は、突然、何のきっかけもなく動悸、息切れ、呼吸困難、めまい、吐き気などのパニック発作が起こり、これが何回も繰り返される病気です。
そのため、本人は「また、あの発作が襲ってくるかもしれない…」という不安が常に付きまとうようになり、
病気が進行していくと、“一人で外出できない”“電車に乗れない”など、日常に大きな支障をきたすようになります。
「パニック発作」・「予期不安」・「広場恐怖」という3つの症状があります。
パニック発作はパニック障害の中心となる症状で、強烈な不安や恐怖感を伴います。
そして、パニック発作には次のような特徴があります。

<パニック発作が起こりやすい生活シーン>
例)
・電車に乗っている時
・会社での会議中
・自分で車を運転している時
・緊張感が解けてほっとしたとき
・以前にパニック発作を起こした場所
<予期不安>
パニック発作が繰り返されるうちに、患者さんに「また、あの発作が襲ってくるかもしれない」という漠然とした不安が常に付きまとうようになることです。
パニック発作が改善しても、予期不安の症状が残ることがあるため、治療上も重要な症状です。
<広場恐怖>
繰り返しパニック発作を起こした患者さんが、以前に発作を起こした場所や、発作が起きた時にすぐに助けを得られないような場所を恐れることです。その結果、患者さんはこれらの場所や状況を避けるようになります。
<パニック障害の患者さんが避ける場所や状況>
(例)
・人ごみにいること
・エレベーターの中
・一人で外出すること
・一人で留守番をすること
・トンネルの中
・スーパーなどの行列に並ぶこと
・会議に出席すること
・自動車、電車、バス、飛行機などに乗ること
脳内の3つの部分が変化していると考えられています。
パニック障害がこころの持ち方で起こる病気ではないとされているのは、最近の研究でパニック障害の患者さんでは、脳の3つの部分に通常とは違った変化が起こっていることが指摘されているためです。
症状は徐々に進行し、うつ病などの合併症を起こすこともあります。
1.初めてのパニック発作が起こる
これまで健康だったにも関わらず、ある日、レストランで友人と食事をしていたら、突然、強い恐怖心を伴った動悸、息切れ、めまい、震えなどの発作に襲われた。
友人に連れられて病院に行くが、検査では異常なしと言われ帰宅する 。
2.パニック発作が繰り返す
数日後、会社の帰りなどに、また同じような発作に何回も襲われる。
3.心気症的傾向
別の病院に行って、再度検査を受けるが、結果は異常なし。
しかし、納得がいかず、絶対に体のどこかが悪いに違いないと思い込む。
4.予期不安
発作が起こっていない普通のときでも、「また発作が起こるのでは…」と不安になったり、過度に心配したり、注意深くなっていく。
5.広場恐怖
発作を起こした時に助けが得られないことを心配して(広場恐怖)、 一人で電車に乗ることを避ける、家に引きこもるようになる(回避行動)。
6.うつ状態
気持ちが沈み、うつ状態に陥る。
薬によって、まずパニック発作をコントロールします。
症状の進行度によっては、薬と認知行動療法などを組み合わせて行います。
<薬による治療法>
パニック障害は治療しないと徐々に悪化していきます。
そのため、抗うつ薬、抗不安薬などの薬を使って、完全にパニック発作をコントロールします。
<認知行動療法>
発作に関係した場所や状況を避ける回避行動が強い場合には、患者さんが避けている状況に少しずつ挑戦していきます。
大切なことは、焦らず、ゆっくり、回復を目指すこと
<パニック障害の治療経過>
抗うつ薬と抗不安薬を使ってパニック発作や発作に伴う不安を消失させます。
<抗うつ薬>
抗うつ薬の中でSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)という種類の薬がパニック障害の治療に使用されています。SSRIは脳内神経伝達物質のセロトニンの量を調節し、セロトニンが正常に情報伝達を行えるようにする働きを持ちます。
<ベンゾジアゼピン抗不安薬>
中枢神経系の過剰な興奮を抑制し、パニック発作を抑える働きがあります。
薬の効果が表れるのが早いという特徴があるため、ゆっくりと効果が表れるSSRIと一緒に服用します。
<心身のストレスを減らす>
職場の人間関係や家族の問題など、心理的なストレスだけではなく、過労や睡眠不足などの身体的なストレスもパニック発作につながります。
そのため、心にも体にも過度に負担をかけないようにゆとりのある生活を心がけます。
<回復を焦らない>
パニック発作が消失しても、発作が起きない状態を維持するために治療はしばらくの間続けます。
発作が起きなくなったからと言って、治療をやめてしまうとまたぶり返すこともあります。
また、発作に関連した不安などは、完全に無くなるまでには時間がかかります。
<家族にサポートしてもらう>
パニック障害の治療では、家族の理解と協力が不可欠です。
自分ひとりでこの病気を乗り切ろうと考えず、できるだけ家族の人にもこの病気について理解してもらい、サポートしてもらえるようにすることが大切です。
<規則正しい生活を送る>
十分な栄養と睡眠をとって、体力を回復させることが大切です。
風邪はパニック発作を起こしやすいといわれています。
<カフェインは控える>
コーヒー、紅茶などのカフェインが入ったものをたくさん飲むとパニック発作が起こりやすくなるため、できるだけ控えるようにして下さい。
このほか、アルコールやニコチンもパニック発作を起こしやすくするといわれています。

